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結婚・出産・復職を経て考えること

「ママ」や「お母さん」という呼び名がしっくりこない

子どもが親のことを「ママ」や「お母さん」などと呼んでいる様子は、誰もが日常的に目にする光景です。しかし、私は、自分の子どもにそのような呼び名で呼ばれることを望んでいません。

子どもに「ママ」「お母さん」と呼ばれることに違和感

結婚・出産を経て、私は「ママ」「お母さん」と呼ばれる存在になりましたが、子どもや周囲の大人からそのように呼ばれると、妙な気持ちになります。

そのような呼び名が、自分の中で全く馴染まないからです。

産後すぐは、ただ呼ばれ慣れていないだけかもしれないと思いましたが、子どもが2歳近くなった今も、違和感は消えません。

 

私も子どもも、同じ船に乗っている「ただの船員」

第一子が生まれたとき、私は、航海中の船で新メンバーを迎え入れたような気持ちになりました。出航時は私と夫の二人だけでしたが、晴れて仲間が増えたというような感覚です。

船のメンバーは航海を共にする仲間なので、何かトラブルがあればみんなで力を合わせて解決するし、順調であれば喜びを分かち合います。航海を続けるのに必要な仕事も、各メンバーができることを自主的にこなします。

そのため、メンバーが増えたことで、船をより力強く前へ進められるようになると感じました。

 

「ママ」や「お母さん」という言葉が暗に示すこと

この船のイメージの中で、私たち夫婦・子どもには「船のメンバー」という共通の属性があります。船長や操縦士といった階級や役割はないため、メンバーはみな平等であり、メンバー間に助言はあったとしても、服従や支配はありません。強者・弱者の関係が生まれにくい構図です。

一方で、「ママ・パパ」や「お母さん・お父さん」という言葉では、社会的な関係性や、性別の違いが表現され、「親と子ども」「女性と男性」のように、異なる属性であることが示されます。そして、そこには、強者・弱者の関係も見え隠れします。

私は『子どもや夫と異なる属性をもつ存在であると明白になること』『強者・弱者の関係が生じること』を好まないため、「ママ」や「お母さん」と呼ばれることに違和感を覚えるのかもしれません。

 

子どもをもつ女性がみんな「母」にならなくてもいい

最近は、「母」とひとくくりにしてほしくないという女性も増えてきているそうです。

「人のセックスを笑うな(河出文庫)」の著者である、山崎ナオコーラさんもその一人であり、月刊クーヨン2018年4月号で、「女性らしさがついてまわる『母』ではなくて、単純に『親』になりたいと思った」と語っています。

「ママ」や「お母さん」は、「母」に対して使われる言葉であり、「女性」を強く印象付ける言葉でもあります。女性らしさに欠けるという自覚がある私に、これらの言葉が馴染まないのは、ある意味自然なのかもしれません。

 

無理して「母」になろうとせず、私らしい「親」を目指したいと思います。

 

月刊クーヨン 2018年 04 月号 [雑誌]

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