o-enzyme

結婚・出産・復職を経て考えること

妊娠中のPM2.5への暴露は出生時体重や赤ちゃんのテロメア長さに影響する?

子どもを持ったり、持ちたいと考えたりすると、PM2.5などの粒子状物質が健康へ与える影響についての関心が増すかもしれません。私も、第一子出産後、特に子どもへの影響が気になるようになりました。最近の研究では、妊娠中の粒子状物質への暴露が、赤ちゃんやママにさまざまな影響を与えることが分かってきているようです。

早期産のリスクがあがったり、出生時の体重が減ったりする

つい先日、2018年1月2日に、PM1と早期産リスクについて調べた研究結果が発表されました1)。この研究に用いられたのは、中国全土から集められたデータです。解析の結果、PM1暴露量が多い妊婦では早期産のリスクがあがっていることが分かりました。

他にも中国では、PMへの暴露と新生児の出生時体重の関係を調査した結果も報告されています2)。 当該論文のGraphical abstractには、妊娠中期(14~27週)のPM2.5やPM10への暴露によって、出生時の体重減少が引き起こされる様子が描かれていました。

働くママやパパにとって、中国は、仕事などで長期滞在する可能性が高い国の1つです。このような研究結果は、他人事ではありません。

 

テロメアの長さが短い赤ちゃんが生まれてくる

妊婦のPM暴露に関する研究は、他の国でも進んでいます。

ベルギーの、PMへの暴露と新生児のテロメア長の関係を調べた研究では、高レベルのPM2.5にさらされた妊婦から生まれてくる新生児のテロメアが短いことが明らかにされました3)

テロメアは、染色体の末端にある、DNAタンパク質複合体です4)。細胞の分裂に伴ってテロメアが短くなると、細胞の老化が誘導されると考えられており、テロメアは老化の指標の1つとされています。

子どもには、通常のテロメアの長さを持って生まれてきてほしいというのが、親としての素直な感想です。

 

次の妊娠のときは、PM2.5などから身を守りたいという気持ちが、第一子のときよりも強くなるように思います。

 

1)Wang YY. et al., JAMA Pediatr., Association of Long-term Exposure to Airborne Particulate Matter of 1 μm or Less With Preterm Birth in China.(2018)

2)Han Y. et al., Sci Total Environ., Effects of particulate matter exposure during pregnancy on birth weight: A retrospective cohort study in Suzhou, China.(2018)

3)Martens DS. et al., JAMA Pediatr., Prenatal Air Pollution and Newborns' Predisposition to Accelerated Biological Aging.(2017) 

4)鮎沢 大ら, 化学と生物., 細胞の老化を支配する遺伝子.(2000)

 

オススメ記事

赤ちゃんに抗生物質を使うとアレルギーになりやすくなる? - o-enzyme

ママ友付き合いのメリットとデメリット - o-enzyme

低月齢の子をもつママだけのチームを組んで仕事をした時の3つのメリット - o-enzyme