完全母乳育児を楽しむためのマインド
完全母乳での育児を希望する場合、母乳へのこだわりが強すぎて、ミルクを遠ざけがちなママも多いかもしれません。周囲からミルクをすすめられても、素直に受け入れられず、つらい思いをすることがあるのではないでしょうか。私も、生後2日目の夜、意に反して子どもに粉ミルクが与えられたことに大きなショックを受けました。
完全母乳にこだわって一生懸命に授乳するも、想像以上の疲労感
私は、妊娠前から、完全母乳育児をしたいと思っていたので、第一子のバースプランにも母乳栄養希望と明記して産院に提出しました。
母乳育児が本格的にスタートしたのは、母子同室となった生後2日目からです。母乳の出は順調で、赤ちゃんも上手に飲んでくれました。
完全母乳栄養に対して一種の憧れのような感情を抱いていた私は、ミルクには頼りたくないという思いから一生懸命に授乳しました。
ただ、授乳のタイミングは昼夜問わず頻繁であったため、産後の私の身体にとっては少しつらくもありました。
看護師さんに預けた子どもが、いつの間にかミルクを飲んでいた
自分の身体を休めることも重要と思い、授乳と授乳の間に、子どもを一時的にナースステーションに預けました。
ところが、次の授乳時間に合わせてナースステーションへ迎えにいったとき、子どもはすでにミルクをたっぷり飲んだ後で、すやすやと眠っていました。赤ちゃんが泣いたので、看護師さんがミルクを飲ませてくれていたのです。
預ける際に「赤ちゃんが泣いたら授乳するので、ミルクは飲ませず、呼び出してほしい」と伝えていればよかったことであり、コミュニケーション不足が招いた事態なのですが、それまで必至になって授乳していたこともあり、とてもショックでした。
授乳できなかったことに対する強い罪悪感
私は、ミルクでの育児を否定しているわけではありません。しかし、自分でもよくわかりませんが、当時は授乳できなかったことに強い罪悪感を覚え、子どもに対する申し訳なさでいっぱいになりました。
罪を償わなければというような気持ちで、残りの入院生活中は、部屋にこもってひたすら授乳したのを覚えています。初めての出産だったからか、産後すぐは通常の精神状態ではなく、心が混乱していたのかもしれません。
産院の授乳室で出会った多くのママのように、母乳とミルクの両方をあげればよかったと、今ではそう思います。
その後、新生児黄疸での入院や保育園生活の開始などで、必要に迫られてミルクを利用するにようになってからは、ミルクを上手に利用することを覚えたからか、ミルクへの精神的なハードルが下がって心の余裕がもてるようになりました。ミルクを遠ざけすぎないことが、完全母乳育児を楽しむ秘訣かもしれないと感じています。