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日本脳炎ワクチンを生後6ヵ月で打つかどうか迷ったときに参考にしたのは学会提言

生後6ヵ月になったとき、病院で「希望があれば日本脳炎ワクチンを打てるがどうするか」と尋ねられたことはありますか? その場ではすぐに答えが出せずに、悩むこともあるかもしれません。そんなとき、私たちは「公益社団法人 日本小児科学会」の提言を参考にして、接種時期を検討しました。


日本脳炎ワクチンは生後6ヵ月から接種できる

日本脳炎ワクチンの初回接種の時期は、標準的な接種スケジュールでは、3歳~4歳の期間です1)
しかし、日本脳炎ワクチンの添付文書には、3歳未満でも、生後6ヵ月を過ぎれば接種対象者になることが記載されています2, 3)。そのため、病院によっては、生後6ヵ月になったときに日本脳炎ワクチンを接種するかどうか、保護者に希望を尋ねることがあるようです。

生後6ヵ月で打つか、3歳になるまで打たずに待つか、とっさに判断できなかった

子どもの予防接種でいつもお世話になっている病院では、毎回、接種終了後に、次回の予約を入れてくれます。生後5ヵ月のとき、予防接種を追えた後、看護師さんから「次は生後6ヵ月ですね。日本脳炎ワクチンも接種できますが、予約を入れておきますか?」と尋ねられました。
当時、日本脳炎ワクチンについて特に知識がなかった私は、何を判断基準として接種時期を決めればよいのか分からず、その場ではすぐに結論を出せませんでした。
他の保護者はどのようにしているのか看護師さんに質問したところ、生後6ヵ月で打つ場合と3歳になるまで打たない場合のどちらもあるとのこと。ますますどうすべきか分からなくなり、結局その日は予約を入れずに、自宅に戻って検討することにしました。

学会の提言を参考にして接種時期を検討

生後6ヵ月を過ぎたら早めに接種することを推奨している自治体もあるそうですが、私の居住地域では特にそのような推奨はしていませんでした。決め手がなく、悩んでいたときに私たちが参考にしたのが、「公益社団法人 日本小児科学会」が「お知らせ」として掲載していた提言です4)
その提言では、日本脳炎の流行地域に渡航したり滞在したりしている場合や、最近日本脳炎の患者さんが発生した地域・ブタの日本脳炎抗体保有率が高い地域に住んでいる場合には、生後6か月から日本脳炎ワクチンの接種を始めることが推奨されていました。
調べたところ、私の居住県では、子どもが生まれる前年に、乳幼児での日本脳炎感染が報告されていました。また、ブタの日本脳炎抗体保有5)が80%以上と高かったことから、最終的に、生後6ヵ月になった段階で日本脳炎ワクチンを接種させることにしました。

接種すべきか悩んだときは、学会や医師会の情報にもアクセス

後になって分かったことですが、私の居住県では、県の小児科医会も、県内在住の小児に対して、生後6ヵ月からの日本脳炎ワクチン接種を推奨していました。
医師や看護師などの職に就いている保護者にとっては当たり前のことかもしれませんが、予防接種を接種すべきか、あるいは、接種時期などで悩んだときは、小児関連の学会・医師会が発信している情報にも自らアクセスしたう上で判断することが重要だと痛感しました。


(参照:化血研が日本脳炎ワクチンの自主回収を決定したというニュースを見て - o-enzyme


1)日本脳炎厚生労働省http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou20/japanese_encephalitis.html(2018年1月10日アクセス)
2)添付文書「ジェービックV」
3)添付文書「エンセバック皮下注用」
4)日本脳炎罹患リスクの高い者に対する生後6か月からの日本脳炎ワクチンの推奨について(公益社団法人日本小児科学会 予防接種・感染症対策委員会)https://www.jpeds.or.jp/modules/news/index.php?content_id=197(2018年1月10日アクセス)
5)ブタの日本脳炎抗体保有状況(国立感染症研究所https://www.niid.go.jp/niid/ja/je-m/2075-idsc/yosoku/sokuhou/6010-je-yosoku-rapid2015-15-map.html(2018年1月10日アクセス)